2002.10.16

100円均一のお店

私の住んでいる近くのターミナルに、現在3軒の「100円均一」のお店があります。
プラスティックの収納容器類から、文庫本、傘、ペットボトル入りの飲み物、パックご飯までなんでも揃って
しまいます。私も、お弁当に使う容器やちょっとした文房具などまず「100均」へ行って探します。
大抵なんでもあるので、おどろき。安くて便利でいいなと思うのですが、ちょっと心にひっかかるところが
あります。こんなに安い価格設定ができるのはきっと海外で安く製造され、安く仕入れられているからだろ
うなと思うのですが、それでいいの?って。

ちょっと前に、イギリスで起こっている「フェアトレイド」という動きがNHKで紹介されていました。
コーヒー店がコーヒー豆を仕入れるときに、安さだけを求めるのではなくて、生産地の人々が生活できる
価格ということを考えてコーヒー豆の仕入れ価格を決めるそうです。
そうするとお店で出すコーヒー一杯は他のお店より10円(30円だったかな)高くなるそうです。しかし、生
産者たちはこれで新しいトラックを買ったりするゆとりができるそうです。そして、安定した生産を確保でき
るということです。

ここで物の価格は自由市場で決まるという原則からはずれた考え方が取り入れられています。
物の価格にその生産する人々の生活という観点が取り入れられているのです。

この考え方で私はマルクスの「賃労働と資本」の中で述べられていた労働の値段についての考え方を
思い出しました。(私ってちゃんと理解してないから大間違いの思いこみかもしれないのだけど)
「労働の価格は、その労働が維持され、再生産されるために必要な費用であるべき」っていうの。

今、自由市場資本主義の中で先進資本主義国の労働者の賃金もこのレベルを割り込んでいると思う。
だけど、強い先進資本主義国が自由市場主義を振りかざして、後進国といわれる貧しい国々から
思いきり収奪しているのは許されることだろうか?

100円均一の価格を支える裏には食べるのがやっとの国々の人々の労働があることを考えると心が
ちくちくする。 だから買わないわけじゃないけれど。

100均でお買い物するときちょっと考えて見てください。


HOME HARD TALK