2002.02.20

オリンピック(片手に武器、片手に月桂冠)

ソルトレイクオリンピックももう終盤。ジャンプ、コンバインド、アルペンなど好きな競技を見てしまった。
だんなさまが横で「片方で戦争をしている国のオリンピックなんて、欺瞞だ。そんなの見てるなんて」
と批判的に冷たい目を向けております。 私もそうよねって思います。

アフガニスタンではまだ戦闘中のアメリカ軍ですし、ブッシュ自身が戦時下を宣言しているのですから
考えてみれば、とても変なオリンピックです。

開会式(全部を見てません。ハイライトを見た。)で、あのアメリカ国旗を見たとき、「あー、このオリン
ピックは世界のオリンピックじゃなくて、アメリカのお祭ね。」と思いました。
戦時下で国威を揚げて、国民の気持ちを明るいほうに向ける役割を持ったオリンピック。

それに まずインディアン(あえてネイティブ・アメリカンとは言わない)が出てきて、その後なんの違和
感もなく西部開拓が続く感覚が理解できませんでした。まさに原住民を虐殺し、土地を収奪した歴史
を嬉々として繰り広げるアメリカの無邪気さというか、、、。もの凄く不愉快でした。

そして大統領の開会宣言。 アメリカの傲慢さのきわみでした。

アイススケートフィギァの審判の問題がでましたが、じゃアイススケートの500mのフライング判定は?
モーグルの点数だって変だったよ。
ショートトラックの寺尾がなんで失格なのかわからん。とつぎつぎ疑惑が浮上。
しかし、疑惑のフィギァの点数をみたら、旧ソヴィエト圏はロシア優位に、西欧圏はカナダ優位につけて
ることが本当にくっきりわかるんですね。その中で西欧圏なのにロシア優位にしたのが、フランス審判。
もともとああいう採点のある競技って身びいきがあるものね。今に始まったことじゃないよ。


戦時下のアメリカだそうですが、炭ソ菌テロの犯人はなんでわからないの?
あれってアメリカ軍の持ってる炭ソ菌が使われたのでしょう。 緊張感を国民に維持させるための自作
自演だったの? あやしい国だわ、アメリカって。
そういう国が天然痘の病原菌を保有しているというのは、アメリカがいうところの悪の枢軸=イラン・イラ
ク・北朝鮮よりも危険だと思いませんか。
悪の枢軸にイランが入ってきたのにもちょっとびっくりでしたが。
危ないもの、大量破壊兵器を一番保有していて、一番いっぱい持っていて、一番使いそうな国がアメリカ
そのものだと思いますが、ちがうのでしょうか。 悪だと声高に叫んだもの勝ちってないと思いますが。

エンロンも疑惑の真っ只中にいながら、テロとの戦いという外圧を利用して延命しようとしているブッシュ
政権。 本当にあのテロはアメリカが知らなかった、阻止できなかったものなのかしら。
エンロンがつぶれる時期にうまいことテロ事件が起こって、アフガニスタンに攻め込んでますね。
どっちにしても、無辜の市民の命が失われた被害国アメリカという演出は気味が悪いです。

アフガニスタンでアメリカの爆撃で命を奪われた人々の数は、アメリカのジャーナリストが報道されたもの
のみを集計して、3000に近いそうです。山岳部などの村ごと破壊されて何人死んだかわからない人々
の数は入ってなくてです。
もう充分でしょう、復讐の数としても。 また違うところに爆撃を始めるのですか?それにNOを出せないの
ですか?アメリカ。そして日本政府。 私たちも反対しなきゃと思っています。

オリンピックが平和の祭典でないことなど、わかっています。 しかし、ここまで無神経にできるのは、
開催国が最強のアメリカであり、戦場が西欧の人々からは思い切りかけ離れたアフガニスタンだからで
しょうか。
競技をテレビで見ながら、熱狂はできないです。でも、見てしまったことにもちょっと罪悪感を持っています。


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