2002/09/22
PlasticTree Shoegazer Tokyo@NHKホール



 

曲順を覚えてるわけはないので詳しいレポはできませんけれど、覚えてる限りで書きます。




開場・開演ともに押したため、けっこう外で待ちましたがそのうち雨がぱらぱらと。プラも、思えばカスケードもいつも雨でした。


座席表を確認するお嬢さんたちを横目に、ふふん調べてあるもんね、とばかりにずんずん前へ進んだところ、5列あるはずのピット席が3列しかないことに暫く友達と硬直。えええまさか、と確認し、自分たちが最前列であることを知ってへたり込む私たち。まさかの1列目でした。
しかもこれ見よがしにクレーンでビデオが設置されてて、貰ったチラシには何度見ても「完全DVD化」と書いてあり…「絶対に映る」という確信のもと、落ち着かない気持ちで開演を待ちました。ピット席に来る人の悲鳴に囲まれながら(笑)。
しかしあれですね、ホールで最前列の人を見ながら「あんな席どうやって取るんだろう」って思ってたんですけど、FCで取れるんですね(当然…)いや私が取ったわけじゃないですが。


30分押しの開演のその時まで、場内にはシューマンのトロイメライが色んなバージョンで緩やかに流れていました。


客電が落ち、メンバーが登場。うわ近い(苦笑)。場所的にはリーダーと竜太朗くんの間くらい、でも竜太朗くんの方が見やすい位置でした。
竜太朗くんは最近よく来てるストライプジャケット+ゴスメイクの顔がプリントしてある白Tシャツ(…)+黒パンツ+白のラバーソール。メイクは濃いめで目と口の周りが真っ黒だったけど…何て言ったらいいかな、ウェットな感じでした。潤ってる感じ(伝わるのかこんなんで…)
リーダーはグレーぽいよく着てるようなジャケット(これも伝わるのか…)で暑くないのかなーと思うようなやつで。黒のぴったりしたパンツで、すんごい細かったですやっぱり。ちっちゃいお尻が可愛かった(真面目に言ってます)メイクは普通でした。主に青のリッケン弾いてました。
明くんは遠くてあんまり見てなかったのですが(苦笑)、ヒスの白長袖Tシャツでした。メイクは薄かったなー。
ぶっちくんはほとんど初お目見えだったのでけっこう凝視したのですが、白長袖Tシャツ+黒長袖Tシャツの重ね着で、下はジーンズだったかと。スポーツシューズぽかった。メイクもほとんどしてないんじゃないかって感じで、すごく少年ぽくて可愛かったです。若いだけあって、お肌の張りも違う感じで(笑)。でも実年齢より若く見えますよね彼。

CDと同じく理科室ライブスタート。ニューアルバム中心で、曲順も近い構成で進みました。3曲目にブランコからがあったり、古い曲も挟みつつ。
新生プラを見るのはチッタ、スイトラに続いて3回目だったんですが、当然ながら見る度に良くなっている印象でした。
MCで「今年の蝉はいつもより優しく聴こえました」と言ったのでてっきりぬけがらが始まるもんだと思って、でもギター持ってないぞ?と思ったらまひるの月でびっくりしたり、最近全然リーダーがコーラスしてくれずに不満だったMayDayは目の前で思いっきりコーラス炸裂で大はしゃぎだったり、何の曲か忘れたけど明くんが「ゴー!!」としか聴こえない声でコーラスしてたり、すごく楽しかったです。
何せ最前列なので冷静には見れてないし、3階の後ろの人が同じ様に楽しめたかは解らないんですけど(カスケードだったら、どこの席でも同じ様に楽しめた経験があるので確信持てるんだけど、プラではこんな前の経験なかったし)
しかし素の表情は見えるわマイク通してない会話も聴こえてしまうわ、かなりおいしかったです。

MCは相変わらず要領を得てるんだか得てないんだか、て感じでした。
ちゅうか、押したせいか巻きがかかってたらしく、明くんが何度もMCを切り上げようと割り込んできて。一回、何かマズいことを言ったらしく、3階席まで音が響く勢いで竜太朗くんが明くんの頭をしばきました(笑)さすがに何言ったかまでは聞き取れませんでしたが。
「今日も大分白痴な人がいますね」とか言ってましたね(笑)。「長いツアーで皆痩せました」と言った時の、会場のぬるーい笑いが印象的でした。でも実際竜太朗くん痩せたなーって思いました。
「こんなバンドに来るなんて…きっと皆、ある日ラジオからプラスティックトゥリーの曲が流れてきて、何だか解んないけど気になる、て思って…」とかどんどん話そうとしてるのを明くんに止められ「今すごい壮大なプラファンよしこの物語が浮かんで」とか訳の解らないことを言い始めてたんですが、その時の笑顔がすごい可愛かったです。「じゃあまた今度」と言ってましたが続くんかいな(笑)

で、新生プラに抱いている危惧として、エモーショナルな曲をどうやって表現していくのかというのがあるんですけれど。この日のsinkは……前半は良かったです(苦笑)。正直、おおって思ったのに2番からあれーって…今後に期待、です。チッタで聴いた時よりは全然良かったし。あ、2番の歌詞また変えてました。

今回竜太朗くん中心に凝視してきたんですけど(こんな近くで落ち着いて見ることなんて二度とないと思ったから)ぶっちくんもかなりしっかり見てきました。たかちゃんもワンタムのシンプルなセットでしたが、ぶっちくんも結構シンプルですよね。タム2つに、何故かスネアがナチュラルに2つ並んでて不思議でしたが(でもサブは蒼い鳥でしか使ってるの確認できず)。
シンバルが右側(向かって左側)に固まってて、sinkのラストとかそっちを叩きまくりで、その動きが子供の喧嘩のようで可愛かったです(褒めてます)。右手の動きがやや硬いんですけど、嫌な硬さではなかったし。
それと見てて気付いたんですが、バスドラが何か…ちっちゃい。何だか子供用のセットみたいだなあ、と思って見てて、タムとバスドラの間が妙に空いてるのに気付いて、あれーって思いました。あんなの初めて見たかも。

本編ラストは、黒い傘を差して唄う雨ニ唄エバ。ですが、何かすごい早く本編が終わってびっくりしました。

1回目のアンコールは確かアブストラクトマイライフから、だったと思うんですが、去年のショックウェーブとかでも披露した、長いインストのイントロが始まって。リーダーのベースが入るまで何の曲か解らない感じだったんですけど、ブル−ジ−で渋かったです。その間竜太朗くんは中央でずーっとぐるぐるぐるぐる回ってまして、かなり狂気な感じでした。会場にもカメラにも睨みを効かせながら。
この時か2回目のアンコールか忘れましたが、絶望の丘をやって、私そこで初めて“本編でやっていない”ことに気付きました(苦笑)。あまりに定番すぎて忘れてた…。しかし「誰も触れない〜」のところで、ドラムの前で明くんとリーダーが向き合って両手を上げてふんがー!って感じに吠えあってまして、おいおいこの曲で何してんの、と思いましたが。

2回目のアンコールだったか、他メンバーがドラム前に座ってる時のMCで明くん「次は武道館で、東京ドームですか」と言ったんですけど、思いっきり「東京ドームに中山明と書きたい!」と言いまして。てっきりわざと言ったのかと思いきや、次の瞬間慌てて後ろ向いてメンバーに「間違えた!」と言ってマイク通して「間違えた!プラスティックトゥリーと書きたい!」て言い直してました(笑)。(聴こえるんですよね最前って…)
何かの曲の前、リーダーとぶっちくんがけっこう真剣な表情で話し合ってるのも見えました。本当に困ったことが起きたような雰囲気で。

もうラストかな、てあたりでクリームで、大好きな曲なんですけどイマイチこれが最後なら物足りない…と思ってたら、「今日ここでこの曲がやれることが、本当に嬉しいです」て竜太朗くんが言いまして。え、まさか、と思ったら「リセット!」て言われて、場内大歓声。皆待ってた。
そしてこの時のリセットがまたすごく良くて。いや理性は殆ど吹っ飛んでたような状態だったんですけど、夢中になれました。連れて行って貰えました。

それから4人で手を繋いで、全員で一緒にジャンプ、をしたんですけど、手を繋ぎながら竜太朗くんと明くんが「夢にまで見た」と言い合ってて、すごく嬉しそうな笑顔で。見てるこっちまで嬉しくて。




それから。4人が去った後。
本当に大満足していたんですけど、だからこそどうしてもまだ会いたい、という気持ちが収まらなくて、友達と「すごい良かった、どうしよう、良かったよ」と興奮しながらとりあえず椅子にへたり込んで後ろを見たら、人は出て行ってはいるもののあまりに皆動いていなくて、即効でアンコールが沸き起こって、その一体感にぞくぞくしました。ピット席は、私の周りはほとんど動かなくて。
「ライブって、アンコールって本当はこういうもんだよね!」て思った。事前に仕込んだとか誰かが先導したとかじゃなく、本当に自然発生的な。

そしてカーテンコール。4人で肩を組んで出て来てくれました。
割合早く出て来てくれたんですけど、時間とかもあるでしょうけど、雰囲気がそうさせたんじゃないかなって思います。「何でみんなそんなに優しいんだー!」っていう竜太朗くんの言葉がすごく、嬉しかったりもしたし。
「こんなの初めてで、どうしたらいいのか」って言った竜太朗くんは、嬉しいんだけどどうしようもないもどかしさを、持て余してる感じでした。さすがに演奏はできない状況だったらしく。

とりあえず、ひとりひとり、コメントをくれて。
皆“やり切った”感じで、言葉は少ないながらもいい表情を見せてくれました。
ぶっちくん、明くんと来て、そしてマイクに向かった竜太朗くんは、一言話して「あ、やべ」と言って俯いて後ろを向いてしまったのですけど。…前を向いたその目は真っ赤で、顔を歪ませて涙を堪えてて。
何だか、見てはいけないものを見てしまったような気さえして、でもすごく美しい姿だと感じました。
そのまま下がった竜太朗くんのその隣で、リーダーも目を潤ませて俯いてしまって。さすがにリーダーはそれから言葉を詰まらせながらも挨拶をしてくれましたが、その後ろ、隠れるように早足で去ろうとしながら、でも歩けなくなって明くんにしがみついてよろよろ歩いていく竜太朗くんの姿に、私はぼーっと見とれました。後ろからぶっちくんが、ぽんぽんと頭を撫でてたりして(でも“ちっこいから届かない”状況に笑ってしまったりも…)

竜太朗くんも、メンバーもそういうのを見せたくないんだろうな、と思うし、雑誌とかDVDとかにはカーテンコールは載らないかもしれない、とも思います(ここぞとばかりにカメラマン動いてましたし載るかもしれんが)
でもねえ…あの場にいることが出来て良かった。そう思いました。もちろん最前列だったことは最高の幸運だったのですけど、それ抜きにしても、あのライブを体験できて良かった。
プラのみんな良かったね、ファンのみんな良かったね、そんな気持ちになれて。


まだバンドはやっとスタートを切ったところで、これからはこれからでまたバンドとして進まなくちゃいけないんですけど、あの日あそこで出来得る最高のものを、見せてくれたと思います。
プラスティックトゥリ−が好きで良かった。好きでいて幸せだ。

そう、思いました。ありがとう。





up 2002.10.03