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ナミダハボーリョク
その横顔を、ずっと見ていた。これからも、ずっと見ていたいと願っていた。 彼の隣にいたのはいつも自分で、それは自分たちも他の誰もが当たり前だと感じていて疑問など持たない事実だった。心地よい、そんなことすら思わずにただ、隣に、当たり前に。 疑問などなかった、のに。 「…ねえ、」 至極、平静な声が出た。風呂上がり、濡れた髪を頭から被ったタオルでごしごしと拭きながら出てきた彼はとてもいつも通りのようで、なのにもう確実にあの頃とは違うのだということを不意に思い知らされたような気がして、ひと呼吸置く。何かが、胸に溢れるのを防ぐために―――泣いてしまわないために。 涙など、見せないために。 「なに」 ベッドに腰掛ける自分を見下ろす、その黒い瞳も好きだと思った。見るのは横顔が多くて、でもこんな風にまっすぐ向かい合うことも少ないわけではなくて。―――これからも、それはなくなるわけではないのだろうけれども。 「あのさ、考えたんだけれどさ」 ゆっくり、穏やかに潤は言葉を紡いだ。自分に、キリトにしっかり届けるために。 「やっぱりさ、俺たち、間違ってたんだと思う」 きっとそれは傲慢な夢だったんだよ。夢は醒める。さあ―――、これが舞台裏だ。 |
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2004.05.30
えーと何書いてんだかって感じですが。
とりあえず、今書きたいオナハシNo1に急に浮上したこれ。
「ナミダハボーリョク」という…何でしょう、一応キリ潤中心なんですけれどけっこう、ウチの今までのキリ潤からは外れてるかもしれない、やっぱり痛い話です。
そんなに長くはならないと思うのですが、短くもないので、連載になるかもな…
………できんのかな(焦)
けっこう前からネタだけ持ってて、書こう書こうと思ってたんですがまとまりきらず、 ふっとタイトルが決まったらけっこう形になってきました。
ちなみに解る人も少ないでしょうが、タイトルはハイポジです。が、私この曲は持ってなくて 聴いてないので(おい)内容は関係ありません。タイトルが良かったから。それだけ。
本編スタートはいつになるか気長に待っていただければ…(爆)