2001.12.13
ついに、シャロンのイスラエルはアラファットを交渉相手としないと宣言してパレスチナを抹殺する行動を 開始した。ガザ、ヨルダン河西岸地区に加えられている攻撃をNHKのニュースで見てもひどいものだ。 ここでシャロンがどういう人かを知っていたほうがいいと思う。 東ヨーロッパ系のユダヤ人で、ベギン首相の下で国防相を努めていた。このときに立案、実行したのが 1982年に行ったレバノン戦争である。当時PLOが拠点としていたレバノン南部に対してイスラエル北部 のガリラヤ地方の安全が脅かされると言うことで1982年6月、イスラエル軍がレバノン国境を越えて 攻撃を開始した。 イスラエル側が「ガリラヤの平和作戦」と呼ぶ戦争である。 圧倒的軍事的優位にあるイスラエルは、PLOを蹴散らして72時間後にはベイルート郊外にせまった。 PLOはベイルートにたてこもったが、イスラエル軍は包囲。砲撃を浴びせつづけた。この攻撃の中で アラファットの拿捕という事態が迫っていた時アメリカの調停が成立し、レバノンからのPLOの退去する ことになった。この時イスラエルは、非戦闘員の安全を保障したが、実際はレバノン郊外のパレスチナ 難民キャンプのサブラ、シャティラで800人以上の住民が虐殺された。 まさにこのときの軍の最高指揮官が現在のイスラエル首相 シャロン その人なのだ。 そして、この時この戦争を「PLO問題の最終的解決」としていたのである。つまり、ナチがユダヤ人を抹殺 することでユダヤ問題をないことにしようとしたのと同じことをしようとしていたのです。そして、今もしようと しているのです。 シオニストが「国のない民へ、民のいない国を」というスローガンでパレスチナに国家を建設したが、 パレスチナにはパレスチナの人々が住んでいたのです。まさに聖書以前の時代から人々が住み、イス ラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒が共存し、それぞれの聖地を尊重しながら暮らしてきたところです。 今もなお、「嘆きの壁」が残り、キリストの生誕地の教会、墳墓教会、マリや様の教会が残り、イスラムの 「岩のドーム」が残されている地域なのです。 イスラエル建国から50年が経って、パレスチナ全土をもとに戻すのは不可能かもしれません。 でも、ガザ、西岸地区にパレスチナ国家を認めることができないのでしょうか。 かって、イスラエルのメイヤ首相は「パレスチナ人などいない」と言ったということです。 シャロンの態度と言いイスラエルのパレスチナを認めないという態度こそが問題ではないでしょうか。 「民のいない国」にすると言うことはパレスチナに対するホロコーストです。今やろうとしていることです。 アメリカがアフガニスタンに対して「テロ支援国家」と宣言して、一方的に武力を行使したことも、間違い です。アメリカこそが、自分の都合のみで基準を決めて武力制圧する世界的テロ国家ですが、 イスラエルもまったく同じテロ国家です。 アフガニスタンへの攻撃を見た世界は、アメリカに「テロ支援国家」と言われるのが怖い、困るから 今回の事態にも何も言わないでパレスチナが潰されるのをながめるのでしょう。 アラブの国々だって、レバノン戦争の時に黙っていたように黙っているでしょう。 ニュースで言われるようにイスラムの一体感なぞというものは発揮されないと思います。 サウジアラビアは自分達の王様生活が大事、UAEだって同じ。イラクはこれ以上の制裁には耐えられ ない。(そもそもイラクはイスラム国家じゃないし、パレスチナ支援なんか今までしたことないもの) イランもシーア派で支援する気はないでしょう。 エジプトも世俗国家だからこそ内部に過激派を育てて いる国なのだ。 まさに、アメリカを頂点にするグローバリズムという覇権主義の支配の前にひれ伏す世界。 この絶望的状況の中でパレスチナは押しつぶされていくのだろうか。 圧倒的武力を持つものは、人々の生活を戦車でミサイルで押しつぶしてよくて、力がないから爆弾をか かえて自らの命と引き換えの攻撃をするといけないのですか。 クリスマスの華やかな飾りの中で暖かい食事をとって、幸せな日々の中にいても、世界に起こる理不尽 なことに憤って声をあげなければ、、、。 胸が締め付けられる思いです。涙の中で私の中に人は本当に人を殺してはいけないのだろうか? 神様がひどい目にあわせてくれることを願うような卑しい心をもってはいけないのと思っています。 ガンジーの非暴力の抵抗の暴力に訴えるよりつらく難しく、強いものを信じるのですが、 全てのものがその道をとれるのだろうかという疑問も持っています。 圧倒的力を持つ権力に対する戦い、ゲリラ戦でテロは容認されないのでしょうか? 自分の意志で(かっての国家の強制ではなく)自分の命を投げ出すまでにまで追い詰められ、なお 主張しなければならないもの。 自爆テロが全く理解できないと言い切ることができないのです。 |
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