2001.11.10

9月11日火曜日(アメリカとチリ)

2001年9月11日火曜日、アメリカ・ニューヨークのワールドトレードセンター南北棟、ペンタゴンに旅客機が
突入した。アメリカの本土がはじめて攻撃を受けた日であり、その後のアメリカ政府の対応によって
戦争がはじまってしまった。 犯人は「ウサマ・ビン・ラディン」とその組織「アル・カイーダ」と決め付けた。

このテロに対する戦争だ。テロの側につくのか、アメリカの側につくのかと世界に迫った。
このテロの犯人は「ウサマ・ビン・ラディン」と決め付けたがその根拠については世界に向かって明らかには
せず、各国のトップ(それもうちうちだけ)に内緒のように教えたということになっている。
それについて今月号の「世界」第695号の90ページにイギリス政府発表の資料が掲載されていました。
ガーディアン紙は「これが証拠?」と批判したとありますが、本当にそうです。
小泉が国会で「日本の裁判の公判に耐え得るものではないが、、」と言っていたが本当にそうです。
ウサマ・ビン・ラディンとアル・カイーダについて、実に主観的な思い込みを並べたようなものです。
このようなものを元に今のアフガニスタン戦争が行われているのは納得できません。日本の憲法を捻じ曲げ
てまで自衛隊を派兵する根拠になんか全くなりません。
どうして、このことが国会でも追求されること無く自衛隊の派遣が決まっていったのか理解できません。

英文の原文は、 ここ http://www.pm.gov.uk/news.asp?NewsId=2686

それに比べて 1973年9月11日火曜日
南米チリで起こった軍事クーデター、 選挙で選ばれたアジェンデ社会主義政権が、陸海空軍と警察の
クーデターで倒された。そしてピノチェト軍事政権下で、チリの何万という人々が殺され行方不明となり
「自由と民主主義」が軍部の暴力の中で殺された。
この民主的に運営されていたアジェンデ政権を暴力で倒したのは、直接にはチリ軍部ですが、アメリカが
クーデターの為にお金を出し、支援と支持を続けていたということが明らかになっています。
CIAが関与していたことは、1974年にアメリカの下院でCIA長官自らが証言しています。さらに、1977年
にはアメリカの国連次席代表が、国連人権委員会においてアジェンデ政権転覆へのアメリカの介入を認め
遺憾の意を表しています。

アメリカ自身が認めたこの他国への介入、「自由と民主主義」に対する暴力は明確に証明されています。
しかし、アメリカは爆撃を受けていません。 そんなとんでもないことをする政府を持っている国は変えなきゃ
などと他の国から干渉されていません。

アメリカだけが、どこの国よりも強く正しいのだ! 貧しい国が刃向かうなんて許しはしない!というのが
アメリカの主張なのでしょう。
今、圧倒的にその行動を支持しているアメリカの人々、あなたがたは本当に正しく潔白なのか?
自分達の命は貧しい国の人々の命いくつと引き換えたら気がすむのですか?

テレビで機械の画面で見る戦争は本当の戦争ではないのです。
アメリカ人は一人も死なないトマホーク、クラスター爆弾、バンカーバスター、ガス気化爆弾の下に人がい
ます。血を流して死んでいっている人たちはみんなテロリストですか?
アメリカ人は死んではいけなくて、他の国の人が死ぬのは見えないからOKですか?

人が死んだ、殺されたという現実を前に安易に「心に受けたトラウマを癒す」ことをしてはいけないと思いま
す。自分の中に抱え込んで苦しみながら考える以外に苦しみを超えて他の人の痛みを共感を持って受け
入れる道はないのではないのでしょうか。

一人1ドルの救援基金を呼びかけるなら、ユニセフが呼びかけた「ワクチン接種のための爆撃停止」につい
てもアメリカの子ども達に話してほしいです。
ユニセフが求めた空爆の停止はアメリカに無視されました。
ここを見てください。  http://www.eeeweb.com/~constitution/vaccine/ 


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