2001.11.09

世界がよってたかって

ラマダンを前にアフガニスタンに世界中から特殊部隊が投入される。
アメリカ軍は当然ながら、イギリス4200人、フランス2000人、カナダ2000人、ドイツ3900人、イタリア
2700人、さらに韓国、パキスタンにも特殊部隊の派遣を要請している。特殊部隊を派遣できない日本は
インド洋に艦船を派遣して、「調査・研究」という訳の判らない出動。これは参戦ではないそうです。
世界はこんな詭弁は通用しないですよね。パキスタンに行った山崎幹事長の説明にムシャラフ大統領は
救援は戦場以外ではできないだろうと不思議がって、理解不能の表情だったそうです。あたりまえ。

しかし、なんでアフガニスタンに対してこんなに世界がよってたかって攻め込むのでしょうか?
ビン・ラディンをかくまっているからというだけなの? 異常な気がします。
それにみんな全部特殊部隊。正規軍ではないのです。 特殊部隊というのはある意味、忍者。戦死しても
正規軍のように公にはされない。「死して屍を拾うもの無し」の兵隊なのです。

アメリカの狂気に何ゆえみんなが巻き込まれていくのか理解できません。
冬を前にアフガニスタンの人々を難民化させ、充分な支援が届かない状態にして、皆殺しにするのだわ。

アフガニスタンのタリバンは自分の国が戦場。戦士は当然のごとく人民の中に逃げ込める。国民全てを
戦士とすることができる。これを殲滅するにはヴェトナム戦で多くの村を「ヴェトコンの村」ということで焼き
払い全滅させたように。
沖縄戦のときのように逃げ惑う人々を「ガマ」(洞穴)の中で焼き払ったように。日本軍が背後から撃ち殺
したように、アフガニスタンの人々もまたタリバンからも撃ち殺されることはないでしょうか。

自分の国が戦場になったら、子どもも女も絶対に巻き込まれるのです。 戦闘に加わらなくても、空爆の
下にいるのです。生活の基盤を失って逃げ惑うのです。飢えと寒さで死んでいく危険にさらされるのです。

ほんとうにこの戦争は「テロを許さない正義の戦争」なのでしょうか?

イラン-イラク戦争では、イランに対抗するためにCIAを使ってイラクに荷担して、テロの方法を教授したのは
アメリカ。 立派に成長した教え子は親にはむかってきた。 アメリカはイラクを目の敵にし始めた。
そして、ソヴィエトに対しての防波堤としてアフガニスタンゲリラを育て、パキスタンを使ってタリバン、アルカ
イーダを育てあげたアメリカ。そしてまた教え子はきっちり育って親にはむかったきた。
南米ニカラグアでも反米政権を倒すためにゲリラを育て上げ、テロの方法をしかっり伝授。またまた育った
子どもははむかってきた。
はむかってくるのは当然なのです。 アメリカの都合のよいようにだけ動くものではありません。
誰もみな普通の人は自分の国や、自分の属する集団の為に生きたいと思うのが当然なのです。

デンゼル・ワシントンの「マーシャル・ロー」でもテロの犯人はCIAが育て上げたパレスチナのゲリラという
設定だった。今回の事態を予言するかのような内容だった。

常にアメリカがテロを産み育ててきた。 ある意味、世界に冠たるテロ育成国家アメリカ。
いままでやってきたことが全て白日の下にさらされないからといって、自分の手は汚れていない、正義の
側に常にいるという錯覚に陥ってはいけない。
いつもいつもアメリカの都合の為に他人を利用してきたのはどこのだれ?自分の手を汚さずに。
自分で人殺しはしないけどきっちり指令をしつづけてきたアメリカとテロの司令部のどこが違う?

5000人を越える人が殺されたからそれ以上の人を殺す権利が保障されるという論理はない。
多くの人の命を大切にするためにはどうすればいいのかを考えることが必要なのではないか。
キリストの教えは、人を憎しみで殺すことを許しているのですか? 西部劇のリンチみたいな論理を許して
いるのですか?
ガンジーの言葉に「自分がありたい状態に常に相手とのあり方を置かなければならない」(正確じゃない)
つまり、相手から暴力を受けたくないのなら、自分もまた暴力を行使してはいけないと。

中央アジアが、地下資源の埋蔵という点で次の中東と見られている。このことと関係はないのか?
アフガニスタンがつぶれるほどに西欧資本主義から寄ってたかって攻め立てられるのは。


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