2001.09.17
9月16日の朝日新聞の朝刊に 「武力決議 1票の「反対」」という見出しで、アメリカ上下両院でただ一人の武力行使決議に反対した議員を 紹介していました。カリフォルニア州選出のバーバラ・リー議員。民主党の女性議員で 武力行使が世界的に 暴力の悪循環をうみかねないとの懸念を示したと書かれています。 アメリカが全会一致で一人の反対者も無く戦争への道を突き進んでいくことになったのかと思っていたので 一人でも反対した議員がいたということに、アメリカの良心と可能性を見つけたような気がしました。 同じ日のやはり朝日新聞 「米同時テロ過剰報復の誘発が狙い」という見出しで 佐渡 龍己(リスク管理研究者・元陸自調査学校教官) の「テロリズムとは何か」で始まる文章はなかなか優れたものだと共感しました。 テロリストが狙っているのは心であるといい、テロリズムは「脅し」という精神的な強制行為を手段とする戦争 であり、この戦いは人々の心を戦場とすると述べています。 「彼らが狙いとするのは、米国民衆の世論の圧力によって、ブッシュ大統領に過剰報復させることである。」と。 日本はどうするべきかということで、「報復を支持するということは復讐の悪循環を促すことになり、テロリズム 問題の解決にならない。」 「脅しという手段を使い、被害者の怒りを逆手に利用するテロリズムに対して、怒りはテロリズムを助長する 源である。復讐によっては問題は解決しない。日本国民一人ひとりが冷静に事態を判断し、日本独自の 世界平和達成に貢献する地道な道を進まなければならない。」 その通りだって思いました。 この方が元陸上自衛隊のスパイ養成学校の先生?って思ってしまいました。 しかし、「アメリカの報復を支持する」とはやばやと表明してしまって、後から何ができるのかと言って 有事立法だの周辺事態法だのと危ない方向しか見ていない小泉にできるのだろうか? 日本は、かって日本を民主的国家に生まれ変わらせて、平和な国にしようと理想に燃えたアメリカが 創ったすばらしい平和憲法を持っているのですから、これを武器に、世界にも平和的な共存を働きかけて いきましょう。 そのためには、冷静に怒りに身を任せないで、日本政府がしようとすることに声をあげるのが 必要なのではないでしょうか? 暴力に対して、さらなる暴力で応酬することは、反対。たとえ腰抜けといわれようと、殴られたら殴り返すと いう単純な反応ではテロは無くならい。アメリカに従わない国は敵対国とみなす、報復攻撃を覚悟せよと いうのは、アメリカの脅しであり、まさにそれこそがテロの本質であり、アメリカ自身がテロと同レベルである ことを証明していると思います。 アメリカを憎しみの目で見ることにさせた事態をみつめましょう。 欧米がこれまでどれだけの人々を踏みつけ 自分たちの都合で戦わせ貧しい生活の中に取り残して知らない顔をしているのか。(日本が太平洋戦争で してきたことでもあります。) その人々に生活への希望をもてる何かを一緒に作り出せないでしょうか。 まだまだ何をどうしたらいい、こういうことをするのよ!って一言ではわからない。でも、攻撃、報復は解決では ないということはハッキリしているし、アメリカのテロを根絶やしにという武力作戦は泥沼への一歩だ。 ヴェトナム戦争の敗北からなにも学んでない。ソヴィエトのアフガニスタン侵攻の敗北もあったのに。 |
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