2001.09.17

「昔は朝日新聞の特派員をされており、現在はVAWW-NETという女性の人権の視点から
武力紛争下における女性への暴力の問題に取り組んでいるNGOの代表をしている
松井やよりさんからのメッセージです。
ご参考までに。転送は大歓迎です。」

というメールをいただいきました。 共感するところが多いので転載させていただきます。
> >友人の皆様へ、(重複をお許しください)
> >
> >米国テロ事件に皆様も衝撃を受けておられることでしょう。私たちは暴力のない
> >21世紀をめざしてきたのに、その最初の年に思いもかけない悲惨な暴力が多くの
> >人命を奪いましたが、それが、さらに悲惨な暴力を招こうとしています。世界最
> >大の軍事的安全保障を有するはずの米国で市民の安全がいかに保障されなかった
> >かを示すテロでした。しかし、世界の最強国の経済と軍事の中枢があのようにあ
> >っけなく攻撃されて、面子を失ったブッシュ大統領は、「これは戦争だ、善と悪
> >の戦いだ。断固戦い、われわれは必ず勝つ」と、軍事的な報復、戦争を宣言し、
> >軍事的な安全保障にしがみついています。
> >
> >米国の友人(フィリピン女性)からのメールでは、メディアが人種差別的なアラブ、
> >イスラム非難を繰り返し、ブッシュの武力行使による復讐を支持する世論が作ら
> >れつつあると憤慨しています。
> >
> >私も、米国がこれまでに今回の人命被害を何倍、何十倍も上回る暴力的な軍事行
> >動を中東や中南米やアジアの人々に対してとってきた歴史を振り返ってほしいと
> >思います。(日本人の私たちは日本の侵略の歴史について)そして、なぜ、米国
> >が攻撃の対象にされたかを考えてほしいものです。グローバル化を主導する米国
> >への怒りが世界中に渦巻いていることを自覚してほしいのです。アメリカ人の人
> >命が失われたことに怒るなら、他国の人命が、たとえば、アフガニスタンやパレ
> >スチナの人々、女性や子どもたちの命がこれからグローバルな報復軍事作戦で失
> >われることも考えてほしいのです。
> >
> >NATO諸国もブッシュを全面的に支持して、一緒に軍事行動でテロに立ち向か
> >うことを表明しています。それに対して、西欧の市民社会は一体どう考えている
> >のか知りたいものです。
> >
> >そして、私たち日本人にとって恐ろしいのは、小泉首相が「米国支持」をはっきり
> >と打ち出していることです。テレビでは、CNNやABCなどアメリカの偏向テ
> >レビ番組を流し続けながら、解説者が、有事体制や治安出動をさかんに主張して
> >います。小泉首相や右翼的な人々にとって、いよいよガイドライン体制を実行し
> >て、アメリカの軍事行動に協力する好機到来と、戦争国家への道、改憲への道を
> >大きく踏み出すのではないかと恐れます。
> >
> >このように、グローバル化を推進している米、欧、日の「北」が、グローバル化
> >の被害を受け、抵抗する「南」を武力で抑えつけようとする新しい戦争が起こるこ
> >とをなんとして阻止したいものです。
> >
> >私たちは、なぜこのようなテロが、なぜ米国に対して起こったのか、それを防ぐ
> >には、あのテロとは比べものにならない大規模な武力行使という国家テロによる
> >以外のどんな方法をとるべきなのか、深く考えるべきではないかと思います。
> >私たちは、いのちを破壊するいかなる暴力も認めることはできない非暴力の立場
> >に徹するがゆえに、今回のテロを許すことは絶対にできませんが、同時に、いか
> >なる暴力も暴力を防ぐことにはならないので、報復のための暴力も認めることは
> >できません。暴力は暴力を生むという悪循環は、歴史が証明しています。暴力を
> >防ぐには平和的な手段でしか不可能だと思います。
> >
> >今、何よりも必要なことは、米国が始めようとしている報復戦争を阻止するよう
> >に、今こそ、反戦を米国の世論に訴える必要を感じます。すでに米国内の良心的
> >な人々がブッシュ大統領の危険な武力行使に憂慮を表明し、「報復のために核使
> >用をするな」というブッシュ大統領への陳情を呼びかけも届いています。私たち
> >も米国の政府、メディア、NGOに対して、「武力行使反対」を訴えるべきでは
> >ないでしょうか。(英語のできる方はぜひ投書などお願いします)
> >
> >そして、日本政府に対して、米国への戦争協力に強く反対したいと思います。集
> >団的安全保障や有事立法、治安出動など、軍事化路線にノーといいたいと思いま
> >す。
> >
> >要するに、米国、日本,西欧などすべての政府に対して、いかなる軍事行動、武
> >力行使にも反対し、テロ以外の方法でテロに対処するように、そして、テロを生
> >む原因を取り除くように、私たち市民社会が国境を超えて反戦の行動に力を合わ
> >せるべきだと思います。そのための何かよい方法はないでしょうか。
> >
> >今感じていることを急いでまとめましたが、どうぞ、ご意見をお寄せください。
> >
> >松井やより <yayori@jca.apc.org>
> >VAWW−NETジャパン代表
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