2001.08.05

プーラン・デビ

先週の土曜日の報道番組で、インドのプーラン・デビが暗殺された事を知った。
えーという感じと、やっぱりという相反する感じが入り混じった。

「女盗賊プーラン」を読んだ時、その内容にも驚いたが、なによりもびっくりしたのは、この本の中身が
現代のインドの現実だということだった。
コンピューターのソフトの世界でトップクラスを行くインド。そのインドが、いまなお厳しいカースト制が
支配する国であるということ。
そして、地方の年にはカーストを超えることに対して絶対的なタブーが存在し、復讐は確実に私的に
行われ、それが行われなければならないと定められているということ。
法治国家とはいえない秩序のなかにあるインド。

プーランの生きた村、カーストは水さえも自由にならない貧しさ。無理やりに売られるように行われる
結婚。労働力としてのみの嫁。 自我を守るために戦ったプーランが、その戦いゆえに復讐の対象に
なっていくというのが理解できそうで、現実のものとは思えない、理解できない世界。

「女盗賊プーラン」は、文盲のプーランから聞き取りをしたものを原稿に起こすという形で本にされた。
自我の為に戦い抜いたプーランに尊敬をこめて、合掌。


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