2004.03.21

アフガニスタンの現在

中村哲先生のペシャワール会のHPにアフガニスタンの情報が載っています。
そこを時々見ていますが、アフガニスタンで今起こっていることは、メディアで伝えられるような奇麗事ではないと
思います。

新憲法の制定が大々的に報じられましたが、国内が内戦状態に近い中で、どれほどの意味があるのかと思って
いました。そういうときに、この記事を見つけたのです。

>アダム・カーン・ナジリは新憲法を制定した最近のロヤ・ジルガで遊牧民の代表の1人を務めたが、彼は新憲法
>はアフガン遊牧民の暮らしをよくするのには殆ど役立たないと言う。
>「誰も我々の問題に注意を払ってくれない。自分達は殆ど全ての物を失った。だが何の援助も与えられていない。
>自分はこの3年間で400頭の羊の群れを全て失った。子供達は教育を受けることもできず、医者もいない」と南部
>のザブール州の羊飼いで6人の子の父親であるナジリ(45才)は語る。

アフガニスタンに100万人いると推定される遊牧民(ダリ語でクチと呼ばれる)は、アメリカ軍の攻撃、さらにアメリカ
軍が解き放った各地の軍閥に支配される土地利用の困難、民族間対立による安全の欠如。さまざまな困難を背負っ
ています。

アメリカが「タリバンは民主的でない」と言って持ち込んだ「民主主義」の見せ掛け。ただの投票制だけみたい。
最近一番の疑問は、生きていくことと、「民主主義」とどっちが大事? 民主主義をかかげるアメリカが来たけど、親や
子が殺された、日々の生活が出来ないというのはいいこと?

アメリカのメディアがアフガニスタン攻撃の後、アフガニスタンの子どもに学校に行けてうれしいと言わせていました。
彼女の両親は攻撃でなくなっていたのに。両親の死より学校に行くことは幸せ?

自由や民主主義のために戦うというのは外から行うことではないでしょう。内から戦いが起こったときに意味のあること。
押し付けるとそれ自体で、自由でも民主主義でもなくなる。

そしてこの記事。

>カーブルは現在ホテル建設ブームの最中にある。町の中心にあるカーブル・ホテルは、2500万ドルの改装の一部と
>してプレジデンシャル・スイートを設けることさえ計画している。アガ・カーン開発ネットワークの世界中にあるセレナ・
>ホテルの『コレクション』に加わることになるこのホテルは『アフガン化された5つ星』というべきもので、各スイート
>ルームは同国内の様々な地方の職人による内装が施される。
>一方、2005年までにオープン予定の、200室を擁するハイアット・リージェンシー・ホテル建設計画も進捗中である。
>郊外ではインターコンティネンタル・ホテルが大改装中で、スペシャル・スイートは1泊470ドルとなる。

1泊の値段が住民の年収に匹敵するホテル!?
毎日の生活の糧を得るのに、精一杯の人々に必要でしょうか? 地雷で失った足に必要な義足さえ満足に作れない
ところに必要なものは病院じゃないのでしょうか。
中村先生は以前におっしゃっていました。国際社会から援助が来るのはいいが、大波のように来て物価を押し上げ、
充分継続した援助をすることなくまた引き潮のごとくに去っていく。そして人々は見捨てられる。
中村先生の言葉によれば「お国のことはお国の流儀で」、そしてほんとうに人々が必要とするものに対する継続した息の
長い援助が必要です。覚悟を決めて、人々と協力して築き上げて初めて意味のある援助になると思います。

資本の進出に任せているのは、植民地支配ではないでしょうか? 

イラクだけじゃなく、アフガニスタンもアメリカと協力国が壊してしまった国なのです。忘れてはならない国です。
国家や資本のためじゃなく、そこに生きる人々にとって必要な支援を続けなければならないのではないでしょうか?

ペシャワール会のHPはここ。 http://www1m.mesh.ne.jp/~peshawar/
                   私たちは(だんなさまとまみっち)はカンパをしています。


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