2003.01.18

一人の行動から

私は大学生の時に、ヴェトナム反戦運動を経験しました。 そのころ、まだ労働組合はちゃんと機能していて
総評が運動のイニシャティブを持っていました。 10月21日「10・21ヴェトナム反戦デイ」の集会は、多くの
人々が集まって、デモにも参加しました。
デモの先頭には労働組合の旗がいっぱい立って、多くの労働者がデモに参加していました。その後に
学生たちの組織が、大阪府学連の旗に続いて、各大学の自治会が参加しているという形でした。
私の中で残っているデモは、何年のことかわからなくなっているのですが、何万の人々が集まって御堂筋を
難波までデモをしたことです。その時、御堂筋の真ん中の車線全部を使ってフランスデモになりました。
手をいっぱいに拡げて、手と手をつないで難波までデモが着くと先に着いて解散している労働者の方たちが
歩道橋の上から拍手で迎えてくれたということがありました。

しかし、その大きなデモから後、どんどんと運動が衰退していったように思います。
警察官のデモ警備もだんだん過激になって、盾は大きくなっていきました。 

しかし、今、日本の根本的な行動様式が変わり、本当に自衛隊が軍隊として機能し、先制攻撃のお先棒を
担ぐことになっているのに、反対の行動がこんなに小さいのは何故なのでしょう。

労働者の組織率は20%を割ってとか。各大学には自治会すらなくなっているとか。
それぞれのいる場に一緒に行動する組織がないということがあるのでしょう。でも、みんながそういうものを作り
維持しようとしていないからないのでしょう。

動員というものの無い集会やデモ。今はラリー(集会って意味)やパレードって言われるものが以前の行動と
は雰囲気が違ってきています。 上に書いたようなベトナム反戦運動の経験者にとっては、「うーん、なんか
違う、こんなんでええのか?」って思う大きな違和感が起こります。
この感じは私一人じゃなくて、サンデー毎日で以前辺見庸さんも書いておられましたし、一緒に集会に行った
私と同年代の友達も言っていました。だんなさまもすごい違和感を持っているみたいです。

でも、って私は思うのです。
今組織として行動を提起するところがない。つまりかっての総評や社会党、共産党のような組織はない。
小さな市民の組織が呼びかけて行動しているのが現状です。 それは、一人から始まる行動です。
私はどこにも属していません。 社民党でも共産党でも民主党でもない。
でも、今、声をあげなくちゃと思います。だから、どんな組織がということを超えて、提起された行動のスローガ
ンが一致すれば、できるだけ参加して行きます。 みんなにも呼びかけます。
行ってみたらユースの方々が中心で、「ピースウォーク、ピースウォーク、ピース、ピースウォーク」とやたら明
るく軽い乗りのウォークだったりします。でも、行きましょう!
何もしないよりは、声をあげることは大切なことだと思うのです。 今口や手や足を縛られているわけじゃない
のです。集会やデモに行ったら社会的に不利を受ける、官憲につかまるということは無いのですから。

まあ、自衛隊派遣に45%の国民が賛成しているというアンケート結果も見ました。賛成されている方もいろん
な情報を見続けて、自衛官を見捨てるようなことがないようにしてくださいね。

イラクの人々のことを、派遣された自衛隊の一人一人のことを思ってみましょう。 自分自身がその立場になって
想像力を働かせましょう。

そして、黙って心の中で思っているだけでは誰にもわからないから、世の中はしゃべる力の強いもの勝ち。
つまりメディアをコントロールできる権力の思うがまま。 私たちにできるのは一人一人が繋がっていくこと。
小さな力をちょっとづつでも集めていく努力をすることではないでしょうか。


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