2003.06.07

アフガニスタンの現状

アフガニスタンが今どのような状態になっているか、見ていますか?
アメリカの猛烈な攻撃を受けて、あっという間に逃げ去ったタリバン政権。テレビがこぞって解放された
カブールと報じた。凧揚げが出来るようになった、女性はブルカを脱いだって。
凧揚げは、タリバン政権下でもできていたのに、、。 今でも女性は結構ブルカをつけたままなのに。
女の子が学校に行けるようになりましたって。 大部分の男の子が学校に行けないのが現状なのに。

アメリカ軍の爆撃はまだ続いています。特にパキスタンとの国境に近い北東部は、アル・カイダの、タ
リバンの残党がいるからという理由で空爆に曝されています。

(民主的な)選挙で選ばれたカルザイが、アフガニスタンを民主的にまとめて治めていくはず??
アメリカは、アフガニスタン攻撃にどんな手でも使うということで、軍閥を使った。カブールの北の軍閥
の基地ってみんなテレビで見ていたでしょう。新聞記者やテレビのクルーが入っていたところ。
カブールに侵攻してね、戦車に乗って喜んでたじゃないですか。
せっかく分裂していたアフガニスタンが、タリバン政権によって一つになってきつつあったのに、おか
げでもう一度元に戻って、各地の軍閥の天下です。

各軍閥が、通行税や地方で取れる税金を取ってしまっているから、彼らの収入は中央政権の収入より
多い。つまり、中央の政権は(カルザイ政権は)経済的な基盤もない。地方のカルザイの支援者は今
年春に殺されてしまったし、、。カルザイ自身もカブールからは出られない。アフガニスタンの政権と言う
よりカブールのみの政権。これでは、地方のインフラの整備なんかできない。

わっとアフガニスタンに入ったNGOやNPO、連合国の軍は物価だけは押し上げている。
国連が行っている難民の帰還事業も実情にあわないものらしい。地方に戻ってもとの農業などに従事
するのではなくカブールに入って、そこで再び難民化するということが起こる。

更に6月に入って、タリバン軍が政府軍と戦闘を行って、49人が死亡するというニュースがあった。
各地に再びタリバンが復活してきていると言うことだ。

私は、アメリカやマスコミがタリバンは極悪非道の集団のように言い募って攻撃したけど、そうかな?っ
て疑問に思っています。タリバンは、わずか5万の勢力だった。それが、マスードの支配地域をのぞく
アフガニスタンの95%を支配するようになっていた。彼らは軍事力に頼って支配を拡げたのではなく
軍閥間の争いに「もう戦いは辞めたい」と思っていた人々の心に入っていったのだ。
それぞれの地方を束ねるジルガ(村をまとめる会議みたいなの)との話し合いで収めていったというこ
とだ。ジルガは、本来多数決じゃなくて徹底した話し合いの合議制。何日も話し合うこともあるらしい。
カルザイを選んだ<ロヤジルガ>ってジルガのトップ組織。本当は合議制で選んでくるのに、連合軍に
無理やり選挙制にさせられて、いっぱい買収があったらしい。
選挙、多数決って本当に民主的なものなのだろうか? アフガニスタンの持っていたよい伝統を壊した
のじゃないだろうかと思う。
私たちの基準からみると、とっても変に見えることも、その国の事情の中では合理的なこともあると思う。

麻薬の取引もタリバン政権下の方がちゃんと減っていってたのに。

アメリカはアフガニスタンの人々を助けることなんか何にもしなかった。してない。
9・11の仕返しを形にしたかっただけ。アフガニスタンと言う貧しくて近代兵器も何も持っていない国を
叩き潰して、「やった!」って叫びたかっただけ。

アメリカの爆弾の下でどれだけの人が今日も殺されているか、忘れてはならないと思うし、見ていなけ
ればいけないと思う。

私たちもアフガニスタンを潰すことに手を貸したのだから。


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