2003.06.06
パレスチナの自爆攻撃で物事は解決しないだろうということはわかっている。でも、今展開されようと しているアメリカ主導の中東和平ロードマップは、パレスチナの人々にとって解決になる道なのだろう かという疑問を持っている。 なぜなら、初めにイスラエルの圧倒的軍事力によるパレスチナに対する攻撃に(BBCニュースでは常 に<raid=襲撃>と表現される)ついて言及することなく、パレスチナに一方的に暴力の中止を求めて いる。しかも、シャロン首相が譲歩を表明したのは、一部入植地であって、1967年以降拡げて来た多 くの「正規入植地」と言われる部分については放棄するつもりはないようだ。 これについては、今週のNewsweek(2003.6.11号)の記事「したたかな二枚舌−和平構想受け入れの 一方でパレスチナ領の縮小を画策するタカ派宰相シャロンの静かな攻勢」を読むとパレスチナにとって この和平は受け入れ難いものだと思う。 「ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地は、依然として拡大し続けている。しかも、西岸では治安維持とい う名目で長大なフェンスの設置が続けられており、パレスチナ自治区の分断されたり、自治政府の支配 地域が事実上削られようとしている。」と。 フェンスは1967年の国境線(グリーンライン)より20kmパレスチナ領に食い込むように建設されようと している。ヨルダン川西岸地区の国境線の見直しということをイスラエルが既成事実の積み上げの中で 行うとパレスチナはイスラエルの入植地に囲まれた3つの飛び地になり、西岸地区の42%に削られる。 今、イスラエルの行動に対して国際的な監視の目が必要で、パレスチナにとって公平な和平案が提示 され、実行されるべきだと思う。しかし、パレスチナ−イスラエルに入っている多くの国際的な監視の目の 人々はイスラエルの妨害や暴力に曝されて行動を妨害されている。 実例は、パレスチナ子どものキャンペーンのここのレポートを読んでください。 http://plaza17.mbn.or.jp/~CCP/news/update0305.html パレスチナの独立が、インティファーだや自爆攻撃では達成できないということはわかる。 しかし、アメリカがパレスチナ国家にとって公平な立場をとって和平の仲介を行ってくれるだろうか? 少なくとも、この和平案にかかわった「クァルテット」と言われる国連、EU、ロシアが、アメリカに意見を述 べて圧力をかけるべきだと思う。そのためには、国際的な関心が必要だ。 多くの人が、パレスチナ−イスラエルの問題を理解しようと見つめること。 パレスチナが50年以上にわたってイスラエルの占領下(不当な占領下)に置かれ、多くの難民を出して いることを理解するべきだと思います。 アッバスは、パレスチナの暴力の停止を一方的に言うのではなく、イスラエルの暴力の停止も同時に要 求し言及しておくことは必要だったのではないだろうか。 パレスチナの絶望的な状況の中で、どんなに不利でもこの和平にかけるよりないのかもしれない。 しかし、世界はパレスチナの状況に関心を持って理解をもとうとする事を表明することが、和平を前進さ せることにつながるだろう。 アメリカの今の政権をリードしているネオコンと言われる人々は、ユダヤ系が多く、いわゆる「シオニスト」と いわれていることを覚えておいて、しっかりと監視するべきだと考えています。 |
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