2003.05.01

クラスター爆弾(空からまく地雷)

アメリカはイラクにおける戦闘行為を終結したという声明を発表するということだ。
アメリカにとっては、もうおしまいなのだろうが、イラクの人々にとってはちっとも終わっていない。
それどころか、今からまだ長い間、クラスター爆弾の不発の子爆弾という地雷の被害を受け続け
ることになる。

湾岸戦争時、アメリカはクラスター爆弾を1万発も投下したということです。
1発について子爆弾が200として200万発の子爆弾が投下され、その5%が不発弾となったと
考えられます。つまり、10万発の不発子爆弾が地面に落ちているのです。この子爆弾は、触っ
たりすると爆発することから、地雷と同じようになります。
イラク南部は多くの不発弾が残り、地雷原と化しています。

さらに今回のアメリカのイラク侵略では、アメリカ国防総省の発表で1500発のクラスター爆弾が
投下されたいうことです。少なくとも26発が民間人の居住区の近くに落ちたと認めています。

クラスター爆弾って?
   ちょっといろいろ調べてみたのでまとめておきます。

 大型の爆弾の胴体部分(貨物室)に缶ビール程度の大きさの子爆弾が数百個(200個くらい)
 つめられていて、爆撃機から投下されると設定された高度で貨物室が開いて小型爆弾を広範囲
 に散布、爆発させる。広範囲にばら撒かれるため、爆風から身を隠す場所がなくなり、被害が大
 きくなる。
 クラスター爆弾は、第二次世界大戦中に開発された兵器で、日本に落とされた焼夷弾もその一
 種。ヴェトナム戦争時には子爆弾にナパーム、枯葉剤が搭載されて広範囲に被害を出した。

 最近でも湾岸戦争時のイラク、コソボ、アフガニスタンで大量に使用された。
 広域に広がるために、市街地に使用されると民間人の被害はさけられない。しかも、安価でたく
 さん使用される傾向がある。
 コソボで使用されたものは、英米製であったが、不発弾化したものが非常に多かったという。
 さらに、使用期限切れのものも使用されていたといい、兵器の不良在庫一掃のためにばら撒
 かれてようだ。
 
 ヴェトナム戦争時、ラオスに投下された多量のクラスター爆弾は大量の不発弾を発生させ、今
 も、現地の人々に「ボンビーズ」と呼ばれる爆弾となって被害を出し続けている。

 アフガニスタンでも大量に使用された。 一般にクラスター爆弾の子爆弾の不発化率は5%とい
 われているが、高高度から投下されると不発化率はあがる。さらに、不発弾は地面に転がるた
 め人目に付きやすい。色や形が子どもたちの興味をひくため、子どもが拾い上げて爆発するこ
 とが多い。
 
 アフガニスタンでも、食料パックのの色と子爆弾の色が同じ黄色であったため、余計に拾われ
 やすく被害を拡大するということで非難され、食料パックのいろの変更が求められた。
 しかし、今回のイラクでも同じことが繰り返された。 「人道援助」という名目で渡された食料パッ
 クの色と、子爆弾の色は同じであった。
 
 子どもたちの興味をひきつけるように作って、そのような状況を強化する細工をして、爆発させる
 故意の行為と考えてもいいのではないか?
 その国の未来を奪う非人道的、卑怯者の行為だ。


アムネスティーインターナショナル、ヒューマン・ライト・ウォッチなどのNGOがクラスター爆弾を
非人道的兵器として使用の禁止を訴えている。

ところが、日本軍はボール状の子爆弾が広範囲に飛散するタイプの「クラスター爆弾」を1987年
から16年かけて数千発、148億円アメリカから購入し、航空自衛隊各基地に配備している。

2003年3月の国会答弁で小泉首相は、クラスター爆弾配備を認めた上で、不発弾化することは
認識が無かった、不発化しなようにすればいいのではないかのようなふざけた答弁をしている。
地雷の破棄を宣言しておきながら、このような兵器を保持し、小泉の答弁とは違って、来年度以
降も類似兵器を購入する予定になっている。
国民が監視していないといつの間にか自衛を超えた非人道的兵器(人道的兵器ってあるのか
な?)をいっぱい装備している日本軍になってしまう。
私は軍備そのものを持たないことを主張したいが、今あるものにたいしても厳しい監視がいると
考えます。


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