2003.02.22

劣化ウラン弾(すでに投下された核兵器)

劣化ウラン弾について知っていますか? 私は、漠然と知っているつもりでいました。
しかし、湾岸戦争で使われ、コソボで使われ、なんでアメリカが核兵器を使ったと公には
言われないのか不思議でした。それで、この間読んだ本から劣化ウラン弾について得た
知識をまとめてみます。

劣化ウラン、自然のウラン鉱は大部分がウラン238で少量のウラン235を含んでいます。
ウラン235は核兵器の原料であり、原発の核燃料となります。
ウラン鉱を濃縮してウラン235をつくるのですが、廃棄物として出てくるウラン238が劣化
ウランと呼ばれるものです。これは、放射性物質なのだけど、ウラン235よりはずーっと
弱いものだそうで、紙一枚で防御できる程度のものだそうです。(これについてはちょっと
違う記述もありました) ウランは鉛に比べても比重が大きく「重くて硬い」という特性を
持っています。
このウラン238を弾頭として使用するとその比重の大きさで鉄などは簡単に打ち抜けるそ
うです。逆に戦車の装甲に使用するとその硬さで通常の弾頭を跳ね返すそうです。
(なんか矛盾の話みたいですが、、。)

湾岸戦争でアメリカ軍はこの劣化ウランで作った劣化ウラン弾を大量に使用しました。
これで、イラク軍の何千という戦車を打ち砕いたのです。 この兵器の前には従来の装甲
の戦車など全くお手上げで圧倒的な威力を発揮したそうです。

更に、劣化ウラン弾は爆発すると一気に微粒子となって空気中に放出され、ゆっくりと崩壊
する放射性物質となり人間や動物に吸い込まれます。。
ウラン235よりずーっと半減期が長く、長期にわたって深刻な放射性障害を生物に起こすと。

この劣化ウランは、核兵器や核燃料の生産過程で出来てくるので、アメリカに47万トン、ロ
シア43万トン、フランス、日本にも当然あるそうです。この物質は放射性廃棄物として保管
されるべきものなので、劣化ウラン弾に加工してよその国にばら撒くというのはばら撒く国
にとっては、相手にその場でダメージを加えるだけでなく、長期にわたって何代にも障害を
与え、さらに自国の廃棄物を処理できるというわけです。

アメリカは湾岸戦争でこの劣化ウラン弾の威力を確認し、その後ボスニア、コソボで使用し
さらにアフガニスタンでも使用したと言われています。

湾岸で使用された劣化ウラン弾による被害は、戦争の後に生まれてきた子どもたちに深刻
な被害をもたらしています。先天的な障害(無脳症などの深刻な障害)をもたらし、白血病
癌、肝障害など子どもにも大人にも被害を与え続けています。
イラクの人々だけでなく、攻撃にかかわったアメリカの兵士にも被害を与えているのです。

このような兵器はまさに「大量破壊兵器」であり、「汚い爆弾」です。
従来の概念とは違いますが「核兵器そのもの」でもあると思います。 アメリカはすでに、
イラク、コソボ、ボスニア、アフガニスタンでこの「汚い爆弾」を使用し、多くの人々に長く続く
深刻な被害を与え続けているのです。

今、アメリカ-イギリスが準備しているイラク侵攻には再びこの兵器が使われるでしょう。
それを許してもいいのでしょうか?


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